2020.5.29 コラム / 特集

【動画あり】コロナ禍の影響は?第1回「コールセンターテレワーク化 座談会」サマリー

コールセンターテレワーク化についての座談会風景

コロナ禍で、各企業でリモート・テレワーク化が求められていますが、コールセンターでもまた「従業員の安全をどう守るか」「テレワーク化が実現できるのか」という議論が進んでいます。ただ、コールセンターの形は業界業種等によって様々です。
そこで、オウケイウェイヴでは今回、コロナ禍の中コールセンター業界で活躍されている有識者の方々を交えて「コールセンターテレワーク化 座談会」を開催しました。
本記事では、5月21日(木)に公開させていただいた第1回座談会の動画と、その中で言及された内容の要点をサマリー記事としてご紹介いたします。

※座談会内での内容をもとに一部意訳をしています。記載文言は必ずしも引用ではありませんのでご理解ください。

動画紹介:第1回座談会(約72分)

「第1回 コールセンター テレワーク化 座談会」

登壇者の紹介(敬称略)

齊藤 勝株式会社イースマイル  代表取締役CEO 
20数年来のコンタクトセンター業務ノウハウを結集し、2008年CRM業務コンサルティングの専門会社を設立。 ITのノウハウを生かして業務運用とシステムの最適化を実現するコンサルティングを得意分野としている。 日経BP社『ITテクノロジーマップ』コンタクトセンター産業編執筆中。業界講演等多数登壇。 NPO法人コンタクトセンターおもてなしコンソーシアム代表理事。

川野 真吾株式会社オフト カスタマーサクセス本部
1972年生まれ。アプリケーションエンジニアを経て2006年Genesys Japanに入社し初めてCXビジネスに触れる。 その後はOracle Customer Serviceやスマホ向けビジュアルIVRサービスの提供を通じ、電話/Web/スマホ媒体によるオンラインCXのリテラシーを醸造。 新型コロナ対応では、ITサービスに加えて飛沫感染防止パネル、マスク、フェイスシールドの調達も支援。

石川 ふみ株式会社リックテレコム  コールセンタージャパン編集部
1977年生まれ。2004年リックテレコムに入社。 「月刊コールセンタージャパン」の記者として、コールセンターおよびコールセンター向けITベンダー、テレマエージェンシーなどを取材。 コールセンター向けセミナーの企画運営や関連書籍の編集なども従事。

北村 岳大株式会社TMJ  事業統括本部 事業変革部 部長
コールセンター・BPOのアウトソース事業部門にて、営業連携、業務設計、業務構築・立上げ、業務改善・技術導入などの支援組織を担当しています。 札幌⇔東京のデュアルライフ(単身赴任)中です。

大矢 聡株式会社オウケイウェイヴ  ソリューション事業部
ソフトウェア会社にて、システムの製品監査/マニュアル制作、ISO9001およびJISQ15001/プライバシーマークの認証取得に携わる。 その後、株式会社リクルートに入社し、リクルートグループ全社のFAQサイトの改革に従事し、述べ55サイトの導入・運営に携わる。 2011年「FAQを活用した問合せ削減とVOC活動」で、コンタクトセンター・アワード/テクノロジー部門最優秀賞を受賞。 2019年7月より現職。著書『AI時代に進化する FAQの活用と実践』。

コロナ禍のコールセンター業務への影響は?

コロナ禍により、各社のコールセンター現場では座席数の調整や時差通勤などの対応をとっていたため、受けられるコール数が減ってしまうという事態が生じていました。不本意な放棄呼が頻発してしまうような状況です。
一方で、顧客・サービス利用者側では平時以上に不安・困惑しているケースも多いため、サポート業務へ従事される皆さまにとってはやるせなさを感じることも多かったかもしれません。

こうした市況下で、一般社団法人日本コールセンター協会(CCAJ) からも5月1日に「コールセンターにおける新型コロナウイルス感染症対策に関する指針 」が公表されましたが、実際の各現場ではどのような状況だったのでしょうか?
座談会では以下のようなお話がありました。

(1) 業務量を軽減する必要性

平時に比べて、対応できる問い合わせ件数に制限が出てくるため、コールリーズンの再分析各種サポートチャネルを整理して、有人対応が必要な業務を軽減できるように取り組まれているとのこと。
チャットボットやFAQで自己解決してもらえるお問い合わせ内容を改めて整理し、コールで来たとしても、その内容ごとにオペレーターが素早くフェイルオーバーやエスカレーションを行えるような仕組みを整えることで対応していた、とのお話がありました。
これは本来あるべき姿といえますが、機動的に実現できた背景には、必要なFAQコンテンツ等をこれまで事前に用意されてきたことが大きな要因としてあるでしょう。

(2) 「声による説明で安心したい」という隠れた顧客ニーズ

世間一帯がコロナ禍で不安で溢れていることもあり、平時以上に「人の声で説明を受けたい」「人に直接相談したい」といった顧客ニーズを肌で感じた、というお話がありました。
Web検索やFAQでの自己解決にまだ馴染みの浅い方々の問い合わせが増えた、という見方ももちろんできますが、いずれにしても、オペレーターとの会話や対応によって安心感を持てた方々が一定層いることは間違いないでしょう。

(座談会とは関係のない余談ですが、執筆している私の親族も、某通信キャリアのオペレーターさんのおかげで安心できたとのことでした。)

実際、座談会の中では、「電話対応したと思われるお客様が、その後にTwitter上で『非常に安心した。よかった。』といった投稿をしていた」という実例もご紹介いただきました。これは、担当社員の方にとってはオペレーター冥利に尽きるお話ですよね。こういったケースはあくまでも氷山の一角で、同様に安心・感謝しているお客様は非常に多いと思います。
こうした効用・効果は定量化しづらいですが、コールセンター元来の提供価値の一つといえるでしょう。

(3) コールセンター内の3密対策

多くの業界と同様に、各社のコールセンター現場でもリモート・テレワークが実施されるようになりました。4月下旬に弊社で行った独自調査によると、85%のサポート現場では“在宅センター”で稼動しているとのことでした。(調査の詳細については下記記事をご覧ください。)

▼【実態調査】リモート・テレワークはカスタマーサポートでも進んでいるのか?
https://okwave.co.jp/spt/column/column-50/

ただもちろん、平常通りに出社してコールセンター業務に従事されていた方々も大勢いらっしゃいます。座談会の中では、出社している場合のオペレーションについていくつかお話がありました。
そこで、現場での対応としては、

時差出勤
・座席ブース内のソーシャルディスタンス考慮
使用機材の利用者管理(衛生管理)

などが挙げられるとのことでした。
ただ、コールセンター業務という元来の性質上、稼動人員の人数や配置はシフト表で管理できており、またルールの周知・遵守についても普段業務から徹底していたため、「(他業種ほど)そこまでの混乱はなかった」というお話がありとても印象的でした。
また、新型インフルエンザの際の対応経験が活きているという声もありました。

“在宅センター”は普及していくのか?

座談会の中では、テレワーク環境による“在宅センター”の今後についても言及されました。「平準化されていくか?/していくべきか?」という議論は置いておくとしても、「(BCPの視点から)実現できる仕組みは必要」というのが共通見解でした。

(1) 一番の課題は「通信インフラ」

これまで、コールセンターのテレワーク化について議論される際には、主に「セキュリティ」と「マネジメント」が課題として取り上げられてきました。
ただ、半強制的なテレワーク化が求められるようになった今回のコロナ禍において、実際に各企業で一番の課題になっていたのは「通信インフラ」であったというお話がありました。具体的には、固定電話番号への受電転送の処理や在宅でのインターネット環境などが挙げられます。
ですが、このような通信インフラの環境構築は技術的には当然に実現可能なので、会社として投資・整備していく意向があれば解決できます。

(2) 普及には顧客側の理解が必要

実際に、「在宅センター」でのカスタマーサポートを顧客視点から見てみると、オペレーター側の生活音が耳に入ってくるようになります。法人営業の商談等の場合には、生活音もちょっとしたアイスブレイクになったりもしますが、顧客からの問い合わせ対応では、現状なかなかそうはいかないでしょう。
ただ、今後「在宅センター」というスタイルの認知が世間で拡がっていき、顧客側の認識も変容させていくことができれば、オペレーターも“一生活者”として捉えられ、顧客とより親密なコミュニケーションを図ることができるかもしれません。そのようになれば、顧客ロイヤルティーへの貢献も期待できるかもしれません。

まとめ

第1回座談会では、コロナ禍の影響について比較的大枠の情報を皆さんに共有していただきました。本サマリー記事はあくまでも概要確認として捉えていただき、お時間が許すときに是非動画の方もご覧いただければと思います。

また、第2回座談会の動画も既に公開されていますので、是非ご覧くださいませ。

▼第2回 コールセンター テレワーク化 座談会
https://www.youtube.com/watch?v=CiZMzyzh-TQ&t=40s

※第2回座談会のサマリー記事も近日公開させていただきます。

この記事の執筆者

サポツウ!編集部

サポツウ!編集部

サポツウ!編集部です。​ サポートに関する最新トレンドや役立つ知識、楽しく読めるコラムなど、サポートのツウになるための情報をお届けします!

関連キーワード

おすすめ記事