公開日/2020.11.20 最終更新日/2021.03.02
レポート

自分の頭で考え、疑い、実践する。ニューノーマルな時代の働き方とは。#OUC2020レポート

リモートワーク・コロナ禍での働き方を考えるイメージ画像

10月14日にオンラインで開催された「OKWAVE User’s Conference2020(#OUC2020)」。
本記事では、オープニング・セッションにて行われたパネルディスカッション「リモートワーク・コロナ禍での働き方の変化」の模様をダイジェストでお伝えします。

登壇者の紹介

パネルディスカッションの登壇者画像

常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部准教授/働き方評論家/いしかわUIターン応援団長

一橋大学商学部卒業、同大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士) リクルート、バンダイ、ベンチャー企業、フリーランス活動を経て2015年より千葉商科大学国際教養学部専任講師に就任。2020年4月より准教授。専攻は労働社会学。大学生の就職活動、労使関係、労働問題を中心に、執筆・講演など幅広く活動中。

今村 優之
株式会社電通国際情報サービス コーポレート本部人事部 担当部長

早稲田大学政治経済学部卒業後、1991年シャープ株式会社入社。1999年株式会社電通国際情報サービス入社。人事制度の企画、運用、労務対応等の業務に従事し、2007年には裁量労働制の導入を主導。2017年7月より社内の働き方改革の推進責任者として、テレワーク制度の全社導入、社員サーベイを活用したモチベーション向上施策の企画、導入、組織開発、ダイバーシティ推進等を主導。ATDメンバー、ATDインターナショナルネットワーク・ジャパンHPIスタディグループメンバー。

陣内 裕輔
株式会社オウケイウェイヴ CTO/CIO/CHRO

電気通信大学電気通信学部卒業、同大学院電気通信工学科修了。1988年に日本アイ・ビー・エム株式会社入社、1994年マイクロソフト株式会社(現・日本マイクロソフト株式会社)に入社、2007年より業務執行役員Windows開発統括部統括部長に着任。日本およびアジア地域のPCメーカー、エコシステムパートナー間での共同開発、ビジネス協業の推進。2016年株式会社サティワークスを設立。2020年4月より現職。

大山 泰 (司会)
株式会社オウケイウェイヴ 社長室長 / オウケイウェイヴ総研 所長

一橋大学経済学部卒業。1984年に株式会社フジテレビジョンに入社。報道局にて政治部、外信部、マニラ支局長、金融記者会キャップ、経済部長、経済担当解説委員、取材センター長などを歴任。その傍ら、内閣府/公正取引委員会「競争政策と公的再生支援の在り方に関する研究会」、農林水産省「政策評価第三者委員会」など複数の政府の有識者会議等の委員を歴任。2018年5月より現職。

「意外に仕事が回る」急激に進んだリモートワークの功罪とは?

政府による緊急事態宣言が発令されて以降、急激に進んだリモートワーク。
LINEリサーチが4月に発表した調査によると、非常事態宣言の要請を受けて「テレワークの推奨/義務付け」を行った企業の割合は、一都三県において53%にまで上ったことが報告されています。

在宅勤務・テレワークの対応状況調査の結果を示す画像

※画像引用元:https://research-platform.line.me/archives/34978692.html

コロナウイルス感染症拡大により、急激に進んだリモートワークは、働き方においてメリットと感じる側面もあった一方、デメリットの側面も顕在化し始めています。

登壇者の中では、今村氏や陣内からは「意外に仕事が回る」等のポジティブな意見が多く出ていました。とくに陣内は、オウケイウェイヴへ入社した2020年4月から10月までで5回しか出社をしておらず、リモートワークによる新しい働き方に可能性を感じているとのこと。

ただその一方で、今村氏からは、リモートワークによる働き方でメリットを享受できる前提条件についても指摘がありました。

リモートワーク環境でも「意外に仕事が回る」と感じられるケースは、
既に面識があり関係性も構築できている「コミュニケーションの貯金」がある相手だけではないか?

新しい取引先や、新卒・中途の新入社員とのコミュニケーションにおいては「意外に仕事が回る」とはいえない状況に陥っているケースもある、とのこと。
リモートワークの中、同様に感じている方々も多いのではないでしょうか。

また、常見氏からは、
リモートワークにて通勤時間が無くなった分、業務量が増加し、結果として長時間労働や業務効率の低下に繋がってしまう問題の指摘がありました。
在宅業務となると、仕事と生活の空間が同じになりメリハリがつきづらくなることは想像に難くありません。

リモートワークに限ったことではありませんが、どのような取り組みにおいても副作用があることを強く認識することは大切です。
リモートワークの働き方の中でできたこと/できなかったことに着目しつつ、コロナ市況がより一層進んだ際にポジティブな変化を起こせるように、と議論が交わされました。

“画面越し”のコミュニケーションが生んだ課題

内田洋行が2020年7月に実施した調査によると、コロナ感染拡大の前と比較し、Web会議の頻度が増えたと答えた人の割合は86.8%にまで至りました。Web会議は、交通費の削減、時間帯さえ合えば場所を問わずに開催することができるといったメリットがありますが、一方で、“画面越し”で行われるコミュニケーションに関しては現状どのような課題が生じているのでしょうか。

Web会議の利用頻度に関する調査結果の画像

※画像引用元:https://office.uchida.co.jp/workstyle/telework/column_007.html

Web会議で行われる“画面越し”のコミュニケーションに関して、パネルディスカッションの中では以下のような課題が挙げられました。

●隙間時間の消失
(会議と会議の合間や通勤時におけるリラックスしながら物事を考える時間が減った)

●声のトーンや服装、仕草といった非言語領域のコミュニケーションの把握が難しい

●議論が高度化すればするほどWeb会議システムの機能やネットワーク回線が議論に追いつかない状況がある

隙間時間の消失は共感できる方が多いのではないでしょうか。業務内容の整理やアイデア出しなど、移動等の隙間時間でこなしているタスクは誰しもあるかと思います。そうした隙間時間がリモートワークの環境により消失したことで、かえってトータルでの生産性が悪化しているという方も少なくないはずです。

こうした指摘から、議論はリモートワークにおける「生産性」の話へ移っていきます。

生産性向上のカギは「不要不急」にあり

「不要不急」。外出自粛が3月下旬頃から要請されて以降、この言葉は様々な場面で使われるようになりました。「無用で急ぎでないこと」を示す表現とされていますが、「これからの生産性を語る上で“不要不急”というキーワードが最も遠いところにありそうで、最も近いところにある」と常見氏は指摘しています。

生産性を向上するうえで最も重要なのは、付加価値の高いものを生み出すこと。そして、そのためには一見無駄に映る時間やものにリソースを割かなくてはいけないことも多々あるでしょう。システムやオペレーションの仕組みを見直す業務効率化も、目先のタスクだけを捌いていてはなかなか改善できません。常見氏は、目先のことだけにとらわれない勇気を持ち、「不要不急」の課題とも向き合うことの重要性を語りました。

また、生産性の文脈で、陣内からは品質に関する指摘がありました。
よく耳にする話かもしれませんが、モノづくりにおいて、日本では100点の品質を追求する姿勢が当然とされていますが、欧米や中国などでは70点の品質でも一旦良しとする姿勢の違いがあります。もちろん品質で100点を目指すのは当然のことですが、然るべきタイミングでリリースをしたり、顧客からレビューをもらうこと等も重要です。
こうしたスタンスは産業の話だけでなく従業員の日常業務でもいえます。どこまでの時間とコストを費やし、どの程度の閾値でよしとするのか等については、生産性向上を考えるうえで大きな問いになるでしょう。

自分の頭で考え、疑い、現場で実践すること。ニューノーマルな働き方に向けて。

パネルディスカッションの最後は各登壇者における「提言」が行われましたが、いずれも共通している前提は、コロナ以前の働き方には戻らないということ。
そして忘れてはいけないのが、目先の効率性にとらわれすぎず長期的な視点を持って考えること。

ツール導入により業務効率化を図るだけでなく、効率化で生み出した時間を活用して、人と人との繋がりを大切にしていく視点や取り組みは今後より重要性を増していくでしょう。

この記事の執筆者

OKBIZ.ブログ編集部

OKBIZ.ブログ編集部

「ナレッジアセットマネジメント(KAM)~ステークホルダーにストレスを与えない仕組みづくり~」という考え方のもと、組織内での働き方や風土・カルチャー醸成の土台となる各種システム・ツールについて、お役立ていただける情報をお届けしていきます。

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