公開日/2022.1.24 最終更新日/2022.01.24
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ビジュアルIVRの導入事例│企業と顧客が得られるメリットと注意点

ビジュアルIVRの言葉を説明する画像

IVR(音声自動応答システム)とは、顧客が企業のコールセンターに電話を掛けた際に流れる自動音声案内です。コールセンターの限られた人員で顧客からの問い合わせに対応する上で、IVRは欠かせないものですが、オペレーターに繋がるまでに顧客が何度もボタンを押す必要があるなど、不便な点も多いのが現状です。

そこで近年注目されているのが「ビジュアルIVR」です。ビジュアルIVRとは、音声に代わって案内メニューを文字で見ることができるシステムです。ビジュアルIVRによって、顧客は従来のIVRよりもスピーディに課題を解決でき、企業側も問い合わせの負担軽減につながります。

では、ビジュアルIVRを導入した企業のコールセンターでは、どのような変化が起きているのでしょうか?
今回は、ビジュアルIVRの定義や種類といった基本的な内容と、実際にビジュアルIVRを導入した企業の事例を紹介します。

ビジュアルIVRと通常のIVRの違い

ビジュアルIVRと通常のIVRが大きく異なる点は、案内の方法です。ビジュアルIVRがテキストによる視覚的な案内なのに対して、通常のIVRは音声ガイダンスによる案内です。それぞれの違いをもう少し詳しくみていきましょう。

(1) IVRとは

IVRは「Interactive Voice Response」の頭文字を取ったもので、「自動音声応答システム」を意味します。顧客からの電話での問い合わせに対して、あらかじめ用意された音声ガイダンスが流れる仕組みになっています。

顧客は、問い合わせ内容に応じて番号を押す必要があり、最終的には電話オペレーターに接続されるケースがほとんどです。

(2) ビジュアルIVRとは

一方のビジュアルIVRはスマートフォンなどの画面上にメニューを表示し、視覚的に案内するIVRのことです。

通常のIVRは音声ガイダンスのみのため、顧客はガイダンスの流れに合わせてボタンを操作する必要がありますが、ビジュアルIVRの場合はメニューが画面に表示されます。顧客は目的の操作を自分のタイミングで行うことができ、時間を節約できます。

ビジュアルIVRのアクセス方式は4種類あり、

● SMSでURLを送信する方式
● 電話の発信操作でアプリが起動する方式
● アプリ上にビジュアルIVRを埋め込む方式
● Webサイト上にビジュアルIVRを埋め込む方式

に分かれます。

いずれもFAQサイトやチャットボットなど、電話以外での解決の提案が可能になるため、電話オペレーターに接続しなくても顧客が課題を自己解決できる可能性が高まります。

ビジュアルIVRの導入事例

実際にビジュアルIVRを導入した企業では、コールセンターの現場でどのような変化が起きているのでしょうか。今回は、3つの企業の導入事例を紹介します。

(1) 大手銀行

ある全国規模の大手銀行の個人預金口座数は、2019年3月末時点で200万口座となっており、給与支払い日や月末の締め日といったピーク時にはオペレーターにつながるまでの待ち時間が発生していました。
入金や送金といった生活に関わる問い合わせが多いため、待ち時間をできる限り短縮するため、改善策の一つとしてビジュアルIVRが導入されました。

結果、視覚的に問い合わせの選択肢を提示できるビジュアルIVRの導入によって、顧客が問い合わせ内容やニーズによってメニューを選択することができ、顧客満足度の向上にも繋がりました。
その後2018年9月には、コールセンターで対応可能な9言語すべてでビジュアルIVRの導入を決定しました。日本に居住する外国人に向けて電話以外のサポートチャネルがあることを知ってもらうことで、サービスを継続利用してもらう仕掛けとしても機能しています。

(2) 大手保険会社

大手保険会社のコールセンターには、新規契約を検討中の見込み客からの問い合わせから、契約内容の変更手続きを希望する既存顧客からの問い合わせまで、さまざまな内容の問い合わせが入ります。
新規顧客からの問い合わせ内容は多岐にわたる一方、既存顧客からの問い合わせ内容はWebで自己完結できる内容が多いことがほとんどだったといいます。

そこで、Web上で対応可能な要件はFAQサイトへ誘導して自己解決を促し、電話オペレーターによる対応が必要な問い合わせのみを有人デスクに繋げるためにビジュアルIVRを導入しました。
LINE、チャット、メールはオペレーターとは別チームが運営し、オペレーターの負担を軽減しています。現在では問い合わせ全体の7割以上がWebで手続きを自己完結しているか、テキスト系窓口で課題を解決しています。

(3) 旅客事業会社

大手航空会社の関連企業で顧客関連事業を担っているとある会社には、約150名のコミュニケーターが在籍し、顧客とのタッチポイントを担っています。コロナ禍によるGoToトラベルの問い合わせで入電が爆発的に増加したことを受け、ビジュアルIVRの導入を決めました。

導入後、SMSの送信実績から、コンタクトセンターの営業時間外のアクセスが多いことが分かっており、夜間であっても顧客が翌営業日を待たずに課題を自己解決する手助けになっています。

ビジュアルIVRを導入する企業側・顧客側のメリットと注意点

ビジュアルIVRの導入は、企業と顧客の双方にメリットがあります。ただし、導入前に押さえたい注意点もあるため、メリットと併せてご紹介します。

(1) ビジュアルIVRの導入で得られるメリット

ビジュアルIVRを導入すれば、有人対応が必要な問い合わせのみをコールセンターにつなぐことができ、企業は業務の効率化や利益の向上が図れます。

(2) オペレーターの負担軽減

チャットやWebといったツールを活用し、顧客が課題を自己解決できればオペレーターの負担が軽減できます。

(3) 機会損失の解消

電話オペレーターにつながるまでの待ち時間が解消され、製品やサービスの購入を検討している顧客の機会損失を防ぐことができます。

(4) クレーム防止

電話オペレーターの対応件数を減らすことによって、コールセンターになかなか電話がつながらないといったクレームや、電話オペレーターの案内が不十分など、対応品質に関するクレームの削減が期待できます。

一方、顧客側には、従来のIVRよりも案内がわかりやすく、スムーズに要求や課題を解決しやすいというメリットがあります。

(5) 問題解決の迅速化

顧客がチャットやWebといったツールを使用できれば、問題解決の迅速化につながります。

(6) 待機時間などの時間的なコストの削減

電話オペレーターでしか対応できなかった問い合わせをビジュアルIVRに切り替えることによって、顧客自身の時間的なコストを削減できます。

(7) 導入前に押さえたいビジュアルIVRの注意点

当然ながら、ビジュアルIVRの導入にはコストがかかります。そのため、ビジュアルIVRが自社に適しており、コストに見合ったリターンが得られることを事前に確認する必要があります。

ビジュアルIVRを効果的に運用するためには、チャットボットやFAQなど、導線先となるコンテンツも重要です。導線設計や画面構成などが適切でない場合、狙った効果を得られない可能性が出てきます。

ビジュアルIVRツールを比較検討する際は、自社のサービス内容や顧客の要望に合わせてWeb画面のカスタマイズが自由に行えるかどうかを確認しましょう。

自社に最適なビジュアルIVRツールを選択しよう

ビジュアルIVRは、うまく活用できれば企業の業務効率化につながり、顧客も問題解決までの時間を短縮できるなどのメリットが生まれます。

企業によって顧客からの問い合わせ内容は全く異なり、どのような問い合わせに対してビジュアルIVRを導入するのが効果的かという点を、事前にしっかりと検討することが大切です。また、チャットボットやFAQといった、導線先となるコンテンツの質を高める取り組みも欠かせません。

ビジュアルIVRやチャットボットの遷移先コンテンツとなる、ナレッジデータベース(AIチャットボットの場合は教師データベースとしも機能)を構築・最適化するOKBIZ.でも、Web画面を自由にカスタマイズできるビジュアルIVRサービスをご用意しています。

▼ビジュアルIVRサービスの紹介ページ
https://www.okbiz.jp/lp/visual-ivr/

<補足>
「OKBIZ.」シリーズは、10年連続シェアNo.1(※)のFAQシステム「OKBIZ. for FAQ」を中心とするサポートソリューションです。
主力製品である「OKBIZ. for FAQ」は、世界最大のヘルプデスク業界団体HDIの日本法人HDI-Japanと共同で策定した「FAQ Management」に準拠し、独自の特許技術(特許第4512103号)を保有するFAQ/お問い合わせ管理システムです。FAQサイトの作成や更新作業をWebブラウザ上から簡単に行えるほか、AIによる支援機能を搭載し、平均30%のお問い合わせを削減する導入効果が出ています(自社調べ)。金融、製造、情報通信、流通など様々な業種の大手企業や自治体など、国内トップシェアとなる600社以上が利用。2005-2006 グッドデザイン賞(商品デザイン/ソフトウェア部門)を受賞しています。

■詳細はこちら:https://www.okbiz.jp/

※出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望2021年度版 クラウド型CRM市場編(第5版)」

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この記事の執筆者

OKBIZ.ブログ編集部

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