公開日/2022.3.22 最終更新日/2022.07.19
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チャットボットのメリットとデメリット|FAQとの連携ポイント

チャットボットを表現する画像

Webサイトのお問い合わせページで、短いメッセージのやりとりで疑問を解決してくれる「チャットボット」を目にする機会が増えつつあります。

チャットボットはユーザーのお問い合わせに365日24時間対応できるうえ、顧客とのやりとりを自動で行ってくれます。そのためコールセンターや社内ヘルプデスクに導入すれば、スタッフの負担を軽減させたり人件費を抑えたりする効果が期待できます。

実はチャットボットにはこれらの効果だけではなく、会社の課題が把握しやすくなり、かつ業務改善がスムーズになる効果もあります。

当記事では、「チャットボットとは何か?」という基本から、導入におけるメリットとデメリット、さらに導入してうまく活用するために重要なFAQシステムとの連携ポイントを実際の導入事例と併せて紹介します。

チャットボットの基礎知識

チャットボットのメリットとデメリットについて紹介する前に、まず「チャットボットとは何か?」という仕組みや種類などの概要について解説します。

チャットボットはユーザーにとっての便利なお問い合わせシステムだけではなく、スタッフの負担軽減や人件費の削減など企業側にとっても頼もしいシステムです。

(1) チャットボットとは

チャットボットとは、ユーザーと短いメッセージのやりとりを自動で行ってくれるロボットのことです。
「チャット」は短いメッセージのやりとりを指し、「ボット」は、ソフトウェアやシステム上では業務を自動化してくれるプログラムを指します。「チャット」と「ボット」を組み合わせた「自動会話プログラム」とも呼ばれます。

チャットボットは、コールセンターや社内のヘルプデスクとして社外・社内の連絡用として多くの場面で利用されています。

例えば、銀行のWebサイトや通販サイトを閲覧しているとき、「何かお困りのことはありますか?」と小さな画面が表示されたことはないでしょうか。オペレーターのイラストやマスコットキャラクターの質問に対し、ユーザーが回答を選択または文字を入力すると、抱えている悩みや疑問を解決に導いてくれます。最終的には課題や疑問点が解決される、または専用のスタッフにつながる電話番号を教えてくれます。
そのシステムが「チャットボット」です。

(2) チャットボットの種類

チャットボットには「シナリオ型チャットボット」と「AI型チャットボット」の2種類があります。

「シナリオ型チャットボット」とは、あらかじめ企業側が設定したルールに従って回答するチャットボットです

一方で「AI型チャットボットには、機械学習やユーザーとの膨大なやりとりの内容をデータとして蓄積し、チャットボットが自ら解析して質問に対する最適な答えを返す機能が備わっています。
言葉の表現の揺らぎや、多少異なる言い回しなども理解でき、雑談など幅広い対応ができます。Apple製の機器に搭載されたAIアシスタントの「Siri」や会話型ロボットにも組み込まれています。

顧客対応にチャットボットを導入する4つのメリット

チャットボットは短いメッセージのやりとりを自動で行ってくれるため、これまで人の手で行われていた業務の一部を肩代わりしてくれます。そんな利便性が高いチャットボットの大きなメリットを4つご紹介します。

(1) 顧客満足度の向上

① 24時間365日の顧客対応

チャットボットはロボットですから、真夜中や早朝などの営業時間外にお問い合わせがあっても対応できます。つまりチャットボットを導入すれば、24時間365日いつでも顧客対応が可能になります。

② 顧客・ユーザーを待たせない

またチャットボットは、質問に対する回答をその場で返してくれます。これまでのお問い合わせでは、電話がつながるまでの時間やメールで回答を返信するまでの時間が長く、ユーザーをお待たせしていました。しかしチャットボットならこれらのメールや電話の待ち時間をゼロにできます。

以上の2つの理由から、チャットボットの導入は顧客満足度の向上につながります。
特に「設定はどこから行えばいいの?」や「購入履歴を確認するにはどうすればいいの?」など簡単な疑問を解決したいユーザーに対して効果的です。

(2) コールセンターの業務負担の軽減と生産性向上

チャットボットは、コールセンターや社内ヘルプデスクの負担を軽減させ、人件費の削減と生産性向上に役立ちます。

同じ疑問や不明点を抱えた方が大勢いらっしゃる場合、一人ひとりに従業員が対応するより、チャットボットで質問と回答のやりとりを効率よく自動化しましょう。これまでコールセンターのスタッフが対応していたやりとりの一部をチャットボットに任せることができれば、電話やメールなどの問い合わせ件数を大幅に減らせます。

お問い合わせ対応の自動化は、多ければ多いほどコールセンターのスタッフの業務負担の軽減に直結します。

コールセンターの負担が減れば、どうしてもスタッフでなければ対応できないお問い合わせのみ丁寧に対応できますし、他の大切な「コア業務」に人員を集中させることもできます。このようにチャットボットの導入は、生産性向上にもつながります。

(3) コスト削減

お問い合わせ対応を自動化すれば、本来必要だった人員が少なくて済みます。するとこれまでコールセンターの人員確保にかかっていた人件費、外注費、機材費などが減り、大幅なコスト削減につながります。

(4) 属人化の防止と対応の質の平準化

お問い合わせ対応は、どうしてもコールセンタースタッフ個人の能力に依存しがちです。コールセンター経験が長い方がスムーズに対応できますし、顧客が納得できる回答を返せるでしょう。

しかしチャットボットなら個人のスキルは関係ありません。どの顧客に対してもあらかじめ設定したシナリオ通りに回答してくれますから、個別に研修したり改善したりする必要がありません。

また、システムやサービスの内容に変更があった場合、その都度コールセンターのスタッフに業務の変更を伝達し研修をやり直す必要がありましたし、スタッフが退職すると、その後の引き継ぎや新たな人材の確保および業務研修が必要でした。
その点も、チャットボットであれば、システムやサービスの変更があってもその都度データやシナリオをたった一回書き換えるだけで良いのです。
コールセンターの運営負担が減り顧客からのボトムアップが図れるでしょう。

チャットボットの導入は、これまで悩んでいた問い合わせ対応の属人化の防止につながります。

社内連携にチャットボットを導入する2つのメリット

チャットボットが役に立つのは、コールセンターなど社外の方とのやりとりだけではありません。社内にチャットボットを導入するメリットと、実際に導入して成功した企業の例を紹介します。

(1) ヘルプデスクの業務効率化

「パソコンのWi-Fiがつながらない」や「ログインパスワードを忘れてしまった」など、従業員が抱える疑問に答える「社内ヘルプデスク」を設置している企業があります。
社内ヘルプデスクもコールセンターと同様に、従業員からのお問い合わせ対応に都度ヘルプデスクのスタッフが対応します。

しかし複数の従業員が同じ疑問を抱えており、一人ひとりに同じ回答を返すのならば、チャットボットに業務を任せることでスタッフの負担を軽減できます。
また、急ぎで回答が欲しい相手を待たせることもありませんから、質問者と回答者双方の業務効率化が図れます。

(2) 社内ナレッジの見える化と蓄積

社内ヘルプデスク業務を通話のみで行った場合、互いのやりとりを記録として残せません。電話に録音機能が付いていたとしても、後から録音内容を聞いたり解析したりするのは手間です。

しかしチャットボットであれば、質問者とのやりとりがデータとして自動で蓄積され、業務マニュアルの作成や業務改善に役立てられます。

例えば、質問が多いキーワードやシステムがあれば、よりわかりやすく業務が遂行できるよう改善したり新しいシステムを導入したりできます。
チャットボットから得られるデータは、社内の課題や社員が抱える悩みを「見える化」してくれます。「見える化」することでわかった社内の課題を解決すれば、質問が減少し社内ヘルプデスクの負担を減らせるでしょう。

業務やシステムの改善は、社員の業務遂行に関わる弊害をなくし、業務全体の効率化と生産性の向上にも繋がります。

以下の記事に、社内へチャットボットを導入するためのポイントと確認事項が記載されています。ぜひ我が社にも導入したい、またはご興味を持たれた方は、あわせてお読みください。

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チャットボットのデメリットと注意点

チャットボットを導入し効果的に活用するためには、チャットボットが抱えるデメリットも把握する必要があります。
デメリットまでを理解しなければ、チャットボットの機能を最大限活用するまでにムダな時間や労力を要してしまいます。

(1) コストと運用工数が発生する

チャットボットは、導入時も導入後もコストと工数が発生します。導入時には、導入するための初期費用がかかりますし、チャットボットにお任せしたい質問と回答の、膨大なシナリオ設計を入力する必要があります。

また導入後も、チャットボットの月額利用料金や定期メンテナンスの費用が発生する場合があります。シナリオ設計は初めに1回入力すれば終わりではなく、質問に対する回答の調節や設定の見直しが都度必要です。具体的にはチャットボットが集めたデータや会話履歴をもとに、FAQの更新・追加・削除を行います。

チャットボットは、定期的にFAQを見直しメンテナンスをしないと回答の精度が低下してしまいます。導入後も、チャットボットを活用するためにはある程度の工数が必要だと抑えておきましょう。

(2) 問い合わせ対応の全プロセスを自動化できるわけではない

シナリオ型もAI型も、チャットボットは万能ではありません。すべてのお問い合わせ対応をチャットボットにお任せしたいところですが、チャットボットにも得意分野と不得意分野があります。

例えばチャットボットが得意とするやりとりは、以下に当てはまる内容です。

●答えまでの道筋が決まっていること
●膨大なデータに基づいて答えを出すこと
●決まったルールに沿っていること

チャットボットは、人間のように臨機応変に対応できるわけではありませんから都度調整が必要です。
また、シナリオ設計が適切に行われていないと問題解決まで導けません。

一方で以下に当てはまるやりとりは、チャットボットにとって不得意であるため活用しにくいでしょう。

●専門的な言葉、日常的でない言葉が使われること
●例外的な要求

もしこれらの内容が起こる場合は、チャットボットにコールセンターのスタッフや社内ヘルプデスクの連絡先へ誘導してもらいましょう。

このようにチャットボットで対応する領域とスタッフが対応する業務の明確化が大切です。

チャットボットとFAQシステムの連携ポイント

チャットボットを適切に導入し活用するには、社内やサービスのFAQシステムとうまく連携させる必要があります。そのためにはユーザーの自己解決を多く実現できる、良いFAQシステムが必要です。FAQシステムが優れていればいるほどチャットボットのメリットや効果が期待できます。

(1) オペレーターやFAQサイトへの誘導を円滑にする

良いFAQシステムを考える前に、まずチャットボットとコールセンタースタッフとの連携を円滑にしましょう。

例えば、チャットボットで解決できない問題が発生した場合、「ユーザーをどこへ誘導するのか?」、「ユーザーが問い合わせるべき連絡先はどこか?」という疑問をあらかじめチャットボットに設定しておきます。
そうすることで、お悩み解決のために辿るべき道順をユーザーにテンポよく案内でき、ユーザーのストレス軽減につながります。

これまでユーザーは、Webサイトに記載されているお問い合わせ先へ電話をかけ、ようやく繋がったと思ったら別の連絡先へ案内されるなど、ゴール地点がわからないケースがありました。同時に自身の担当ではない顧客まで対応するため、コールセンタースタッフの負担も大きいままでした。

しかし、チャットボットがユーザーの問題解決やかけるべき連絡先を示してくれれば、ユーザーもストレスを感じることはありませんし、コールセンタースタッフの負担も軽くなります。
またユーザーが辿るべき道順を途中まではチャットボットが案内してくれるため、スタッフが関わる範囲を限りなく少なくでき、業務効率化が実現できます。

(2) 社内外からFAQ情報を収集する

チャットボットの有効的な活用に欠かせないのが良いFAQの存在です。
良いFAQとは、参照するだけでユーザーがコールセンタースタッフにお問い合わせをしなくても自己解決できるFAQです。

良いFAQを構築するためには、顧客と社内両方のFAQ情報をたくさん収集し分析できる環境を整えることが必要です。その環境を整えてくれるのが、データを自動で収集し分析しやすくしてくれるチャットボットです。

チャットボットを導入後、常にデータを収集し分析すれば、社内外のFAQシステムの精度が向上し内容が充実します。

また、チャットボットで集めたデータだけではなくコールセンターや社内ヘルプデスクなど、現場スタッフの生の意見を取り入れることで、より早くFAQの精度を向上させることができるでしょう。

例えば、「この回答に答えられるスタッフをもう少し増やしてほしい」「チャットボットに使われている専門用語がわかりにくいという声があった」などチャットボットのデータからでは読み取れない意見が聞けます。

それらの意見をFAQシステムに組み込めば、さらにチャットボットの実用性が高まるでしょう。

チャットボットは会社の課題を見える化してくれる

チャットボットは、人件費の削減やスタッフの負担軽減など社内にとって大きな効果をもたらします。またいつでも問い合わせができ、連絡先のたらい回しに会う機会が減るため、ユーザーのストレス軽減にも繋がります。

会社の負担と顧客のストレスを減らし、業務改善につながるデータを集めてくれるチャットボットひいてはそのデータベースにもなるFAQシステムは、今後のカスタマーサービスにおいて必須のチャネルといえるでしょう。

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この記事の執筆者

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